ありんこちゃんの愛とバレエ
その2〜きっかけ2
 2日くらい経って、母が嬉しそうに言いました。
「昨日、バレエの人来たわよ」
おお、早速ですか。

私は母の横に座りました。
「うちから駅2つくらいのところに彼女がやっているバレエ教室があるんだって」
へーえ。それは通い易そう。
「次に来る時はそこのチラシを持ってきてくれるってよ」
まあぁ、良い人ですね。私だったら面倒っちいから知りませんとか言うけど。
せいぜい連絡先だけ教えて、あとは勝手にしてくれって感じだ。
それにしても自分の女が経営しているバレエ教室をさらっと紹介しちゃうなんて、大人だな。
「ちゃんと『一緒に踊りたい』って伝えといたからね」

ありママアイコン

…は?
誰と誰が?

目が点になるありんこちゃんアイコン

「昔、舞台に立っていて、ダンスもやってたことも話しといたから」

ありママアイコン
…はい?
誰が何を?

青ざめるありんこちゃんアイコン

「なんか興味持ったみたいよ」

ありママアイコン
…はい?
誰が誰に?

パニクるありんこちゃんアイコン

 あー、確かに私は中・高と演劇関係のクラブに入ってました。
ミュージカルが多かったので、2〜3週間コーチを呼んで、ダンスの振り付けをして貰ったことがあります。
プロと踊れるくらいのレベルになれたらいいな、とも思います。
実際は、せいぜいミュージカル映画を見て、振り付けを真似てみる程度です。
でもね、母の言い方だと、まるで私がモダンのダンサーかミュージカル俳優をやった経験があって、ダンスにはかなりの自信があって、「クラシックバレエをやっている人とも是非踊ってみたいわ」とかほざいてるように聞こえるんですが。
もし私が彼の立場だったら、そんな女むかつく。

「今日、新作借りてったから、明日返しに来るわよぅ」
翌日はお店番に出ることにしました。
これ以上、ありもせんことを喋らせる訳にはいきません。
しかし、こんだけありもしないはったりかました後で、当の本人はどんな顔して彼の前に出ればいいんでしょう。

娘を自慢に思ってくれるのは嬉しい。
でもママ、プロに見栄きるのはやめてくれ…。

話す前から逃げたくなっちゃったよぅ。
back next
hola@arinko-chan.com
ありんこちゃん励ましませんか? 鉛筆アイコン書く 帰る帰る巣穴